日本最南端の島・小浜島に位置し、開業45年の歴史をもつ『はいむるぶし』。その名前を変えずに、未来へ向けた再ブランディングを行うことになりました。最大の課題は、長い歴史の中で少しずつ広がっていた表現のばらつきを整え、ブランド全体に統一感を持たせること。そのために、新しい「はいむるぶし」を象徴するキービジュアルが必要とされ、私たちに依頼が寄せられました。
新しいロゴはすでに決定していたため、私たちの役割はそのロゴと調和しながら全体に一貫性を持たせるキービジュアルを生み出すことでした。
「はいむるぶし」が持つ穏やかな魅力を残しつつ、再ブランディングにふさわしい新しさを表現すること。さらに、パンフレットや紙袋、オリジナル商品のパッケージ、カードキーなど、紙媒体を中心とした販促物に展開しても違和感のない“汎用性”を兼ね備えることが求められました。
自然のうまみ、島の環境、人の温かみ——はいむるぶしが大切にしてきた価値を視覚化するために、キービジュアルには小浜島のシルエットをモチーフにしました。単に形をなぞるのではなく、どこまでの情報を伝えるべきかというデフォルメの加減も重要な要素。島の豊かな自然と素朴な魅力を、手書きタッチによるあたたかみのある質感で表現しました。
ラフな線とナチュラルな風合いは親しみを感じさせ、はいむるぶしの空気感に自然に溶け込むデザインに。カラーは海・空・緑といった自然を想起させるアースカラーをメインに採用し、島の環境そのものを映し出すように調整しました。筆の流れや線の太さ、色の重なりはミリ単位で検討し、「はいむるぶし」らしい穏やかさと品格を両立させています。
こうして生まれたキービジュアルは、再ブランディングの基盤として紙袋やオリジナル商品のパッケージ、カードキーなど紙媒体の販促物へと展開され、リゾート全体に統一感を与える役割を果たしました。
「何をしても幸せ、何もしなくても幸せ」——そんなはいむるぶしの穏やかな時間を体現したキービジュアルと各種パンフレットが完成。ブランド全体に統一感を与える再ブランディングの核を担うことができました。
・再ブランディングとして世界観を統一
・ロゴと響き合うキービジュアルを制作